長野県小諸市の脳神経外科・内科・外科・リハビリテーション科 鳥山クリニック

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当院の降圧目標達成率

当院の外来血圧の降圧目標達成率:2014年7月(前回2014年7月との比較)

日本高血圧学会が2014年に提唱した降圧治療目標は、75歳以上で150/90mmHg未満、75歳未満の低リスク群で140/90mmHg未満、そして75歳未満の高リスク群(糖尿病, 尿蛋白のある慢性腎臓病)でした。前回のガイドライン(JSH2009)より降圧目標値が緩和されたこともあり、全体として74.9%と前回(2014年7月)の調査時より高い目標達成率でした。しかし、今回出された2019年の降圧目標値は2014年版にくらべかなり厳しくなっており目標達成率の低下が予想されます。
詳しくは最後のページをご覧ください。

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当院の降圧目標達成率

降圧治療目標達成率の季節変動

血圧は季節ごとに変動します。寒さの厳しい冬には血圧が上がり達成率が下がる傾向がみられました。冬期の早朝は部屋の暖房も血圧管理の上で重要です。


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当院の降圧目標達成率

家庭血圧測定率

当院の患者様の家庭内血圧測定率は2014年の76%から2017年には87%に上昇しています。2014年の指針では「外来血圧より家庭血圧を重視する」方針が鮮明に打ち出されています。病院の血圧では、普段の血圧、とくに脳卒中が一番起こりやすい朝6時から8時の血圧は分かりません。今、血圧は家で測る時代です。生活習慣病の改善だけで血圧が20mmHg下がるといわれています。これは降圧薬に匹敵します。血圧日記をつけて自らが主治医となり血圧コントロールに関わりましょう。家庭内血圧コントロールが良ければ、主治医は安心して薬を減らしたり、中止したりすることができます。外来血圧だけを根拠に薬の増減を決めることは医師にとっても不安です。


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当院の降圧目標達成率

外来血圧と家庭内血圧との差

当院の2017年のデータからは、外来血圧は家庭内血圧にくらべ、収縮期血圧(上の血圧)で年平均7.5mmHg、拡張期血圧(下の血圧)で3.2mmHg高いという結果が得られました。外来と家で差が大きいのは心臓の収縮力にかかわる収縮期血圧でした。血管の弾力性に関連する拡張期血圧の差は少ないことが判りました。


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当院の降圧目標達成率
 

2019年4月から「降圧目標値」が厳しくなりました。

2017年にアメリカの高血圧の基準値が変更され、130/80mmHg以上は高血圧ということになりました。
これを受けて、今年4月に日本高血圧学会は高血圧治療ガイドライン(指針)2019を発表し、「降圧目標値」を変更しました。日本の高血圧の診断基準は140/90mmHgのままですが、降圧目標が今までよりも厳しくなりました。合併症(糖尿病、腎臓病など)がない場合の降圧目標が、75歳未満は140/90mmHgから130/80mmHgに、75歳以上は150/90mmHgから140/90mmHgに引き下げられました。さらに、今まで「正常高値血圧」と呼び「降圧目標」でもあった130~139/85~89は「高値血圧」と呼ばれるようになりました。「正常」を抜くことによって「安心するな、改善の余地がある」ということを表現しています。もう少し詳しく新しい「降圧目標値」をみてみましょう。目標値が、前々回、前回のもの(ガイドライン2009と2014)からどのように変わったのか見てみましょう。血圧値は診察室の血圧です。家庭血圧では上の血圧、下の血圧ともに5ずつ低い値です。
 
降圧目標 2009指針(前々回) 2014指針(前回) 2019指針(今回)
65歳未満 130/85未満 140/90未満 130/80未満 (家庭125/75未満)
65歳から75歳未満 140/90未満 140/90未満 130/80未満 (家庭125/75未満)
75歳以上 140/90未満 150/90未満 140/90未満 (家庭130/80未満)
糖尿病・腎臓病患者 130/80未満 130/80未満 130/80未満 (家庭125/75未満)
虚血性心疾患患者 130/80未満 140/90未満 130/80未満 (家庭125/75未満)
脳血管障害患者 140/90未満 140/90未満 130/80未満 (家庭125/75未満)

2009年に一旦緩くなった目標値は2014指針でかなり厳しい目標に変更されたため、一旦向上した目標達成率が低下することが見込まれます。当院では、2014指針下で71.6%であった2017年7月の目標到達率が、2019指針に沿って計算すると48%に低下してしまいます。今まで当院で「よく出来ました」と評価されていた患者様のうち約1/3の方が「もっと頑張りましょう」という評価になってしまいます。

これはどのようにとらえれば良いのでしょうか?
ガイドライン製作委員会によると、降圧目標を変更した理由は、「厳格治療と通常治療を比較すると、厳格な降圧により心血管イベント(脳卒中、心臓病)を抑制することができる」からとしています。「収縮期血圧を10mmHgあるいは拡張期血圧を5mmHg減らすことで、脳心血管病を20%減らすことができる」とも述べています。「正常血圧」とされる120/80未満であれば脳卒中、心臓病になりにくいという科学的根拠に基づくものです。

どのように対処すれば良いのでしょうか?
従来の目標値である140/90mmHg未満(<75歳)あるいは150/90未満(≧75歳)が達成されていない場合は、生活習慣の改善をベースに降圧剤も併用し、先ずは「高血圧」ではない130〜139/85〜89の「高値血圧」レベルにまで降圧します。その後はなるべく薬に頼らず、生活習慣の修正をさらに強化して(もっと頑張って)130/80mmHg未満を目指すようにします。2014指針で「よく出来ました」の方も同様です。
加えて、今まで早朝血圧のみ測定していた方は就寝前も測定して、朝との平均値で評価しましょう。
就寝前血圧は朝より低いことが多いので平均では目標に到達している可能性があります。

家庭内血圧測定の重要性について
今回の指針でも「外来血圧より家庭血圧を重視する」方針は変わっていません。生活習慣病の厳密な改善だけで血圧が20mmHg下がるといわれています。これは降圧薬に匹敵します。血圧日記をつけて自分の血圧をよく知って自ら積極的に血圧のコントロールに関わりましょう。「予防に勝る治療なし」。これからも脳卒中、心臓病、腎臓病の大きな危険因子である高血圧に対してより多くの皆様が降圧目標を達成できるよう主治医と皆様の二人三脚で「正常高値血圧である130/80未満」=「よく出来ました」を目指しましょう。