前庭性片頭痛はめまい症のなかでも、良性発作性頭位めまい症に次いで頻度の多い疾患です。
本研究は、片頭痛の前兆および発作間欠期の広範囲圧痛過敏症(IWPH)が、前庭性片頭痛(VM)と前庭症状を伴う片頭痛(MwVS)、および前庭症状を伴わない片頭痛(MO)の間でどのように関連しているかを調査しました。横断研究として行われ、発作性性片頭痛を持つ163人の患者が3つのグループ(VM、MwVS、MO)に分類されました。
主な発見としては以下の点が挙げられます:
・前兆: オーラはVMとMwVSの比較において有意な関連があり、VMの患者はオーラを経験する可能性が3.5倍高いことが示されました。
・発作間欠期の広範囲圧痛過敏症 (IWPH):IWPHもVMと有意に関連しており、VMの患者がIWPHを持つ可能性はMwVSに比べて5.3倍高いことが示されました。
・圧痛点数 (TPC): VMの患者はMwVSの患者に比べて圧痛点数が高く、これはVM患者における中枢感作のレベルが高いことを示しています。
この研究は、IWPHと前兆が前庭性片頭痛と関連していることを結論付けており、これらの要素がVMの病因において重要な役割を果たす可能性を示しています。これらの発見は、VMを他の片頭痛タイプから区別するのに役立ち、よりターゲットを絞った治療戦略につながる可能性があります。